元過労死ライン越え教師 Yb の日記

元過労死ライン越え教師が教育などについての考えを綴ります

教育現場の現状は? Part 1 過労死ラインを超える残業の実態

○教育現場の現状は? Part 1 過労死ラインを超える残業の実態

 

 今回は、学校現場が忙しい、忙しいという話を聞いて、一体どのくらい忙しいの?という皆様の疑問に答えていけたらと思います。ここで資料として実際の業務時間について触れていきたいと思います。西村 祐二(2023).の『シン・学校改革~「定額働かせ放題」と「ブラック校則」に挑む現役教師~』では、

 

“2022年度実施の教員勤務実態調査(速報値)によると、教諭の一ヶ月平均残業時間は、持ち帰り仕事時間を含めずに小学校64時間48分、中学校83時間44分、高校64時間52分(10~11月の調査結果を4週間換算した推計。持ち帰り仕事を含めた場合は、小学校82時間16分、中学校100時間56分、高校81時間)。調査結果から見える小中学校教員の日常は、毎日3時間以上の残業、30分以上の持ち帰り仕事、にもかかわらず一日を通した休憩時間はわずかに23分。”

 

とされています。つまり、私のような小学校教諭は大体一月に80時間以上の残業を行なっていることになります。あれ?ここでこの80時間という単語に聞き馴染みはないでしょうか。そうです。過労死ラインと言われる残業時間の基準は単月で100時間、もしくは連続で80時間以上とされることが多いのです。平均が80時間を超えているということは小学校教員のほとんどが過労死ラインを超えていることになります。さらに中学校に至っては単月どころではなく、平均で100時間を超えるという実態です。気をつけなければいけないのは、これは体調を壊すラインではなく、過労「死」ラインであるということです。現状、教員のほとんどは文字通り「死」と隣り合わせで仕事を遂行しているのです。

 そこで、このような意見が出るかもしれません。

「こんなに残業していれば、たいそう残業代ももらっているんでしょ?だったら、文句ばっかり言ってないで働いた分もらって満足していなさい。」

 しかし、これは大きな間違いです。教員には『残業代は支給されません』。より、正確に言うのであれば、教員に『残業は存在しないはず』なのです。存在しないはずなのであれば、残業代を出す必要はないですよね。

 ここで大きな矛盾点が生まれます。

『存在しないはずの残業』と『実際に行われている残業』この二つは相容れないはずです。なぜこんなことが起こっているのでしょうか。それを理解していただくためには法律について触れていかなければなりません。

 

参考文献 西村 祐二(2023),  シン・学校改革~「定額働かせ放題」と「ブラック校則」に挑む現役教師~,光文社