元過労死ライン越え教師 Yb の日記

元過労死ライン越え教師が教育などについての考えを綴ります

○教育現場の現状は? Part 8 先生の仕事って?⑤ ~給食と清掃~

○教育現場の現状は? Part 8 先生の仕事って?⑤ ~給食と清掃~

 

 教員の一日は授業や休み時間以外にも様々な時間があります。今回は給食と清掃の時間について触れていきたいと思います。

 給食の時間は分かりやすいと思います。給食の配膳、給食中の児童の様子確認や必要ならば指示や指導を挟みます。そして、片付け、歯磨き等をさせる時間です。ここでほとんどの企業等と異なる点はここは労働者にとっての休憩時間ではないということです。給食指導と言われますが、自分は食事中ゆっくり食べている暇もなければ、味わっている暇もありません。教員にもよりますが、掻き込んで食べて、児童の指導を行ったり、丸付けなどの作業を行う人も少なくないようです。しかし、給食中最も気をつけなければいけないのはアレルギー対応です。近年アレルギーの児童は多くいます。給食の対応が必要な場合はもちろん、自分で除去することができる児童も注意して見守る必要があります。しかしながら、学校に申請のないアレルギーの児童も少なくありません。教員の方から病院で証明書をもらって欲しいということを伝えても重度でない場合は病院すら行かず、なんとなくこれがダメな気がするレベルで済ませてしまう保護者もいらっしゃるので、その場合は児童の話を聞いてアレルギーを引き起こしそうな場合は食べないよう促したり、入っていることを伝えたりといった作業が必要となります。よく完食を目標とする教員がいます。それも食品を無駄にしない素晴らしい意識だとは思いますが、私が残してもいいよと指導しているのは、こういったアレルギー対応が難しい児童の対応を行なっている経験からくるものです。

 清掃の時間も比較的分かりやすいのではないでしょうか。児童が教室などの清掃をするのを監督する時間です。教室の机運びなどは机を倒して足を怪我したりということもありますので安全管理が必要になってきます。また、児童によっては掃除に対して前向きでない場合もあります。掃除をせずにサボってしまう児童をやる気にさせたりもします。

 ここでもう一つ、掃除の時間には重要な点があります。それは、文部科学省から出ている資料では、清掃は『必ずしも教師が担う必要のない業務』だということです。では、そのための人員は用意されているのでしょうか。答えはNOです。学校の業務ではあるとの位置付けのある清掃活動は教員以外やってもいいのだけれど、その人員は用意されていない。つまりは教師がやるしかないということになります。誰もやる人がいないが、学校の業務であるならば、学校にいる人員である教師がやる必要があるということに他なりません。もはやこれではこの文言の必要性も疑うべき状態です。

 では、実際問題どうしたらよいのでしょうか。中村 健一(2023.)の『策略-ブラック仕事術 誰にも言えない手抜きな働き方』では、「汚い教室は、荒れやすい。学級崩壊予防のために、教室はきれいに保つ。』という文言があります。清掃の時間に手を抜き、児童指導を怠ることは、結果的に学級崩壊などの大きな仕事の増加を招く危険性があります。だとするならば、諦めて掃除の指導を教師が引き受けるしかないのでしょうか。私はそこはバランスなのではないかと感じています。清掃の班が変わった最初は力を入れて指導をし、中盤になったら児童主体でできるようにする。慣れてきて手を抜くようになったらまた指導をする。つまりは、べったり清掃の時間指導をするのではなく、要所要所で指導を行い、あとは他の業務などに当たることが得策なのではないかと思います。気になるところはさっと教員がやってしまうのも手です。いかに指導しようと全てを完璧に児童が行うのは限度があります。その細かさが嫌で清掃に前向きに慣れない児童も少なくありません。

 

参考文献 中村 健一(2023.),策略-ブラック仕事術 誰にも言えない手抜きな働き方,明治図書.