元過労死ライン越え教師 Yb の日記

元過労死ライン越え教師が教育などについての考えを綴ります

○個人でできるセルフ働き方改革① ~テストの丸付け~ Part 1

○個人でできるセルフ働き方改革① ~テストの丸付け~ Part 1

 

 教員の皆さん、テストの丸付けって案外大変ではありませんか?まず大きさ。小学校のテストは小学生でも書きやすいように大分大きめのサイズをしております。畳んで半分にしたくらいがちょうど良いですよね。ただ、ここで厄介なのが半分にすると枚数が多く膨らんでしまうということです。その上にバインダーなどを置こうものなら斜めになったずれ落ちてしまう。そして、見た目も最悪。机の上はぐちゃぐちゃ。しかも、移動するのも荷物になるし、個人情報てんこ盛りなので、下手な場所に置くこともできない。こんな厄介なものどうしたら……と思うものです。

 そこで私が始めた方法が「テスト即返却」という発想です。最初にその考えに出会ったのは初任の時でした。その時私は多くのテスト、ドリル、プリントの丸付けに追われ、机の上はぐちゃぐちゃで塔が立ち並んでいるような状態、もはや大都市でした。そんな私を見かけてその時の副校長先生が私に声をかけてくれました。

 「テストは職員室に持ってきちゃいけない。テスト中に丸を付けてしまうんだよ。」初任の私は言われた通りに丸を付けていきました。児童にはテストが終わって、見直しが終わったらテストを提出させ、そこから必死に丸を付けました。しかし、どう頑張ってもテストの丸付けはテストの時間内には終わりませんでした。それでもめげることなく挑戦し続けました。

 そして、もう無理なのではないかと半ば諦めかけた中である本に出会いました。坂本 良晶(2019.)の『さる先生の「全部やろう」はバカやろう』です。その中に

 「教師の丸付けも含めて、45分でやりきるという意識」という言葉が登場します。ここで私はハッとさせられました。私は心のどこかでテストの時間で丸付けも終わったら「いいな」と思って丸付けをしていました。丸付けが終わらずとも少しでも丸付けが進んでくれたらと思っていたのです。45分で丸付けも絶対「やりきる」という意識はなかったのです。それから意識を変えようと様々な取り組みをしていきました。

 まずは、意識をするために自分にタイムアタックを課しました。まずは一人目の児童がテストを提出したら、ゴングが鳴り、スタートの合図です。時計を確認し、スタートの時間を把握します。その後はひたすらに丸を付けていきます。最初はそれでも間に合わないことが多かったので、より細かいところまでこだわっていくようになりました。そのためのコツを私なりにまとめてみました。

①すぐに始める

 テストを開始すると机間巡視も必要です。しかし、それだけを行うのではもったいない。その間にドリルの丸付けや連絡帳の返信なども行いたい。そんな忙しなく仕事をこなしていると一人二人とテストを終えて提出をしている児童が現れます。そうしたら、今手をつけている仕事を区切りよく終わらせてからテストの丸付けに移りたくなります。しかし、それこそが罠なのです。優先順位を考えます。今本当に大切なことは連絡帳の返信なのか、テストの丸付けなのか。これは大変難しい問題です。連絡帳の締め切りは児童の下校時までの場合が多い。しかし、テストの丸付けは別に今日じゃなくても良い。ならば、連絡帳の返信の方が優先順位が高く感じるかもしれません。しかし、数日後でも大丈夫な仕事こそが、ずっとやらずに溜まる仕事なのです。しかも、連絡帳は内容にもよりますが、児童が近くにいても返信を書くことができます。五分十分の休み時間や業間、昼休みでも書くことは可能です。しかし、テストの丸付けは近くに児童がいてはできません。友達の点数が見えてしまうからです。だからこそ、今優先順位が高いのはテストの丸付けなのです。

 

 参考文献 坂本 良晶(2019.),さる先生の「全部やろうはバカやろう」,学陽書房.