元過労死ライン越え教師 Yb の日記

元過労死ライン越え教師が教育などについての考えを綴ります

○教育現場の現状は? Part 4 先生の仕事って?① ~勤務時間前~

○教育現場の現状は? Part 4 先生の仕事って?① ~勤務時間前~

 

 今回は先生の仕事って実際どんなものがあるの?ということについて話していけたらと思います。まず、最初に伝えておきたいのは、本当に先生の業務量は多いです。私の文ではよく登場する業務時間を最初に確認しておきましょう。 西村 祐二(2023).の『学校改革~「定額働かせ放題」と「ブラック校則」に挑む現役教師~』では、

 

“2022年度実施の教員勤務実態調査(速報値)によると、教諭の一ヶ月平均残業時間は、持ち帰り仕事時間を含めずに小学校64時間48分、中学校83時間44分、高校64時間52分(10~11月の調査結果を4週間換算した推計。持ち帰り仕事を含めた場合は、小学校82時間16分、中学校100時間56分、高校81時間)。調査結果から見える小中学校教員の日常は、毎日3時間以上の残業、30分以上の持ち帰り仕事、にもかかわらず一日を通した休憩時間はわずかに23分。”

 

とされています。では、小学校の教員の82時間も勤務時間外労働が発生する業務の内容はどんなものなのでしょうか。

 

 まずは朝からイメージしていきましょう。まずは朝、私は7時前くらいに出勤しています。ちなみに業務開始時刻の定時は8時10分からです。なぜ、こんな早いかって?理由は二つあります。

 一つ目は児童の登校時間です。児童は別に教員の勤務開始時刻が8時10分だからといってその時間に来てくれるわけでもありませんし、その時間より前には教室に来て大人しくトラブルを起こさないでくれるというわけでもありません。ですから、先に教員が教室にいたり、職員室にいて何かの時には対応できるようにしておきます。後から勤務時間前の教室で起きたトラブルを解決するよりその場で解決した方が大分時間の短縮になるので、結果的には働き方改革になってしまうのが不思議です。

 もう一つの理由は放課後の業務を減らすために片付けられるものはここで片付けておきます。例えば、何かの資料作り。保護者への配布文書や避難訓練などの行事の計画書作りは朝にやっておきます。放課後は教員も疲れていて頭が働かないこともありますし、児童指導の共有や保護者対応があって時間がない場合もありますので、できるときにやっておきます。放課後に作業をするより何倍も早く進みます。特にあまり遅くまで放課後残っていると不必要な手伝いを強制されることもあるので、朝片付けて早めに帰れるようにしておくのも大切です。私からすると「いらんやろ」という内容のちょこまかとした手伝いなど数え切れないほど学校にはあります。特に若い頃はなんでも手伝って当たり前だと思っている年配者も少なくありませんし、忙しいのを分かって気を使って声をかけない先生の作業を見つけると

「だめだよ、若いのは自分から見つけて動かないと。」と大声で言ってきてドヤ顔してくる年配者なども少なくありません。だからこそ、放課後はできるだけ早く帰ることが勤務時間短縮にはものすごく重要になってくるのです。

 また、登校したての児童の様子を見ながら、体調のチェックやいつもと変わったところがないかをコミュニケーションをとりながら確認したりします。

 

参考文献 西村 祐二(2023),  シン・学校改革~「定額働かせ放題」と「ブラック校則」に挑む現役教師~,光文社.